2007年に観た映画のリストです。かなり偏りが見られます 笑
More ?
2008/01/27
CINEMA ・
151TB 0
151Com 0
強烈な対比が紡ぎだす、ファンタジーとは何かという究極の問いかけ
パンズ・ラビリンス/Pan's Labyrinth/El laberinto del fauno(2006)監督:Guillermo del Toro ギレルモ・デル・トロ出演:Ivana Baquero イヴァナ・バケロ 他
【注意】
この記事にはネタバレ表現が含まれています。
鑑賞予定の方の閲覧はご注意ください。
社会派ダークファンタジー。確かにそう括ってしまえば簡単だ。だがそれだけでは済まされない。ファンタジーとは一体何なのか。ファンタジーとは、何のために存在し得るのか。近年のハリポタを代表するファンタジーブームの影に潜む、ファンタジーの必然について真っ向から描いた文字通りの「衝撃」作。
舞台は1944年のスペイン。内戦終結後、フランコ独裁政権が台頭するなか、今だ山間では反政府ゲリラが抵抗を続けている。
物語は、主人公の空想好きな少女オフェリアが、フランコ軍大尉ヴィダルと再婚した身重の母カルメンとともに、山深い軍事施設へやってくるところから始まる。
だが、二人を迎え入れたヴィダルは冷酷で残忍な男で、妻であるカルメンですら世継ぎを生ませる道具ぐらいにしか思っておらず、オフェリアにも冷たくあたる。
連日繰り返される執拗なゲリラ掃討戦、軍事政権支配下の不安な生活、唯一心が開ける相手である母の体調不良・・・そんな救いようのない状況に無理矢理押し込まれたオフェリアの前に、ある日妖精が現れる。妖精に導かれ辿りついた先で出会った、パンと名乗る羊のような姿をした「迷宮の番人」は、オフェリアに「あなたは地底にある魔法の王国の王女です」と告げる。戸惑うオフェリアだったが、再び王女として王国に戻るために、3つの試練に臨むことを決意するのだった。
こう書くとありがちな、子供向けのお伽噺のようだが、実際は違う。オフェリアが3つの試練に臨み王国へ戻りたい一番の動機は「子供としてどうしようもない現実」から一刻も早く逃れたい、ただそれひとつしかなく、栄光や財宝ではなく、ただただ幸せを掴みたいだけなのだ。それも、人並みに。それは大人から見れば「夢見がちな子供の空想」に過ぎないかも知れないが、子供にとってそれは切実過ぎるほど真剣で、現実に対して唯一抗える武器とも言える。そういった大人と子供のそれぞれの世界、それぞれの戦いが対比的に描かれながら物語は、進む。そう、これは対比の物語なのだ。大人の事情と子供の事情、現実世界とファンタジーの世界。そしてそれはただ対比的に描かれるだけに収まらない。片方の世界にもう片方の世界の存在は必然であり、お互いは依存し合ってこそリアリティを増し、そして現実がファンタジーを生み、ファンタジーが現実を凌駕する。どちらも真実であり、何を信じ何が幸せなのか、そういった切実な問いかけを残して物語は終焉を迎える。あなたは、これを観て何を感じたか。それは直接自分へと返される本当の答えなのである。
また、アカデミー美術賞、メイクアップ賞を受賞したという美術は秀麗でセンス溢れるものに仕上がっている。決して手の込んだVFXや見事なCGというわけではないが、それが逆にこの映画に於けるファンタジー=空想世界という世界観を現すのに一役買っている。ファンタジー世界に必要なものは決して即物的なリアリティではなく、いかにその世界がそこに存在しているかのように感じられるか、もっと言えば観客の想像力をどこまではばたかせることが出来るか、に尽きるからだ。
ハリポタのように整然とした夢溢れる世界では決してなく、むしろ禍々しく異臭を発していそうな世界観は、どちらかというと
「サイレント・ヒル」やクローネンバーグ作品の造形に近い。2番目の試練に登場する子供への欲望をもつクリーチャー、ペイルマン(画像)の造形は特に秀逸で、動き出す前から何とも言えない不安感を掻き立てる。欲を言えばファンタジー要素をもっと見たかったが、この映画のテーマのひとつである現実との対比を描くうえでこのウェイトに絞らざるを得なかったのだろうか。それとも、インディペンデント(!)の低予算映画ということで、ここまでが限界だったか。
また、他のレビューでもよく言われているが、決して子供向けではない、というより完全に大人向けなので、子供連れでの鑑賞はお勧め出来ない。むしろ下手をすると結末は子供にはトラウマになりかねないので注意。ホラー映画ではないが拷問や暴力シーンなど残酷描写もかなりあるので、そういったものに免疫のない方も注意だ。
【以下、本気でネタバレが含まれます。この映画は結末に対し何を感じ何を受け取るかが、最も重要であり制作者の意向でもあると考えておりますので、まだ観ていない方は絶対に読まないで下さい】
More ?
2007/10/10
CINEMA ・
146TB 25
146Com 9
歌って踊る楽しいペンギンアニメとして子供にどんどん見せるべき問題作
ハッピーフィート/HAPPY FEET(2006)監督:George Miller ジョージ・ミラー声の出演:Elijah Wood イライジャ・ウッド 他
【注意】
この記事にはネタバレ表現が含まれています。
鑑賞予定の方の閲覧はご注意ください。
こんなつもりじゃなかった。「歌って踊るその名の通りHAPPYなペンギンアニメ」を観るつもりだったのだ。観ている間は存分に笑って楽しませて頂き、観たあとは大した印象も残らず「面白かったね」というシンプルな感想とともにさっさと忘れ去られてゆく、現在の消費社会の象徴のような昨今の3Dアニメの、至ってベーシックな作品群のひとつであると思い込んでいた。それが、こんな挑戦的な映画だったとは・・・。「面白かったね」の一言で済ませそうにない。むしろ、鑑賞後に背負わされたこの重みをどうしろと言うのか。
舞台は南極、「心から湧き上がる歌」を歌い求愛する皇帝ペンギンたちのなかで、音痴なマンブルは爪弾き者。唯一の特技はタップダンスだが、周りのペンギンには誰にも理解して貰えない。想いを寄せるグローリアにも気持ちを打ち明けることが出来ず、挙句の果てに頭の固い長老に、マンブルのダンスのせいで魚が獲れなくなったとコロニーを追い出されてしまう。
そんなマンブルの心配をしてくれる陽気なアデリーペンギンのアミーゴス、アデリーペンギンの教祖様として君臨しているラブレイスとともに、マンブルは魚が獲れなくなった本当の原因を突き止めようと旅に出るのだが・・・
まだマンブルが幼い時期、カモメに襲われそうになるシーンがあるのだが、そのカモメの足に黄色いタグがついている。鋭い人なら、ここでまず違和感を抱くだろう。普通のペンギンアニメなら、足にタグがついたカモメは絶対に出てくる筈がないからである。幼いマンブルは「それは何?」とカモメに聞き、「エイリアンにさらわれてつけられた」という話を聞くのだが、もちろんエイリアン=人間なのは明らかだ。ここから、ペンギンの食糧難を招くエイリアン=乱獲をする人間 という構図が徐々に浮かび上がってくる。
だが、物語はマンブルやアミーゴスの冒険等を交えて、一見普通のアニメのような展開を見せる。そして、とうとうマンブルたちは人間の植民地へ到着し、ラブレイスの首に絡まっていた首輪(人間が不法投棄したプラスチックのゴミ)もなんとか外れ、ここで一件落着かのような様相を見せる。人間の漁船はペンギンたちにとって想像もつかないぐらい巨大であり、「魚を獲るのをやめさせる」と息巻いていたマンブルが、到底太刀打ち出来るものではないという「現実」を、ありありと見せつけるのだ。ここで、それまでマンブルに感情移入していた観客は誰しも「もういいじゃん、アンタよくやったよ」と、諦観とともに楽観的な意識を抱くであろう。「所詮、一匹のペンギンに何が出来るのか」と、空調の効いた室内から画面を見つめているひとりの「人間」として、無意識のうちに優越感を感じてしまうのだ。ほんの少しの罪悪感とともに。
ここから、その「ほんの少しの罪悪感」をこれでもか、と攻撃されることになるとは、誰一人考えもしなかっただろう。
それでも諦めきれないマンブルは、人間の漁船を追うが追いつける筈もなく、どこか遠くの地に流れつく。そこで目覚めたマンブルを取り囲むのは、壁に描かれた南極の風景と、フェイクの海、日々単調に与えられ続ける大量の魚と、大勢の人間たちの目だった。
水槽越しに「魚を獲らないで」と訴えるマンブル、しかしその声は人間たちに届く筈もなく、声も枯れ果て、単調な日々に次第にマンブルは心を失ってゆく。
ここで驚くべきは、人間が全て実写なことである。この映画の大きな特徴のひとつは、3DアニメらしくデフォルメされたCGではなく、あくまでリアルなペンギンたちと実写と見紛うばかりの秀逸な風景なのだが、ストーリーの衝撃度のほうが余程大きかったので、細かい記述は省いておく。とにかく、このフォトリアルなCGだからこそ、実写の人間が存在しても画的に違和感はないのだが、水族館の水槽の向こうにいるのが、リアルな「人間」だからこそ、非常に嫌〜な気分にさせられる。それまで和気藹々と頑張っていた主人公のマンブルが、心を失くした虚ろなペンギンになってしまったのは全て人間のせいであり、それはアニメのなかのお話ではなく、あなた自身なのですよ、と、画面の向こうから指を指されているかのようだ。そこには先程までマンブルに感情移入し物語を楽しんでいたペンギンの立場から来る気持ちと、そんなマンブルを水槽に閉じ込め、「かわいいね〜」と何も考えず笑っている人間の気持ちが重なって存在し、そのどうしようもなくやりきれない感じは今までに一度たりとも経験したことがない程だ。
その後マンブルは得意のダンスで窮地を脱し、無事南極へ帰ってペンギン総動員のダンスをやってのけ、それを見た人間に環境保護の観点から乱獲をやめさせ、物語は無事ハッピーエンドを迎えることが出来るのだが、もうその辺りは「ペンギンたちが幸せになってハッピー」と普通に観ていることが出来ない。むしろ途中経過をばっさり省略された展開はおざなりであり、「一応、映画として無理矢理ハッピーエンドにしましたよ」といった感を拭えないのだ。
もしかしたら、制作側は水族館のくだりで終わらせてしまいたかったのかも知れない。むしろそのほうが尚更この映画のリアリティは増すであろうし、ダンスでハッピー、なんて有り得ないと、水族館のくだりで既に気付かされてしまっているのだから。それでもこれは映画でありフィクションだから、ダンスで万事解決したが、実際のペンギンはダンスを踊れるわけもなく、今現在だって水族館にペンギンはいて、それを「かわいい」と眺めているのは我々人間なのだ。ハッピーエンドは映画のなかだけでのお話であり、そのハッピーエンドだって、人間が人間の都合でつくっただけのつくり話だ。
「歌って踊る楽しくって可愛いペンギンのアニメ」としてこの映画は大々的に宣伝をしていた。そういった映画だと思い込んで劇場へ足を運んだ親子も多いだろう。(自分だって、そういう映画だと思い込んでいた)例の水族館の部分の画像を載せたくて探したが、結局見つからなかった。プレス的にNGだったのか、制作側の意図だったのかはわからない。ただ、「歌って踊る楽しいペンギンアニメ」と思って観に行く人はどんどん行けばいい。今は公開が終了しているので、DVDをどんどん借りればいい。そういった映画だと思い込ませることこそが、この映画の意図なのだ。その軽い気持ちで入った入り口の先には、想像を遥かに超える出口が用意されて待っていることだろう。そしてその出口は、決して軽くはないが、悪いものでもない。むしろ自分は多くの親子が何も考えず踏み入れてくれることを望む。
「水族館に行きたくなりました」というレビューを見掛けた。水族館にマンブルの人形が飾ってあり、子供が写真を撮っていたというエピソードも。申し訳ないが、自分には全く理解できなかった。水族館は好きだが、当分普通に楽しめそうにない。いや、当分ではいけないのだろうが。
好きな漫画家がこう言っていた。「人類の最大の罪は想像力の欠如」と。持てる限り最大の想像力を駆使して、この映画を観て欲しい。
2007/08/18
CINEMA ・
141TB 0
141Com 0
ブレインデッド/Braindead(1992)監督:Peter Jackson ピーター・ジャクソン出演:Timothy Balme ティモシー・バルム 他
【注意】
この記事にはネタバレ表現が含まれています。
鑑賞予定の方の閲覧はご注意ください。知る人ぞ知るホラー/ゾンビ映画のある意味最高峰。監督は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや「キングコング」で有名なあのピータージャクソン。廃盤になったDVDはAmazonのマーケットプレイスで3万5000円からという高騰っぷり。この手の映画でこれを越す映画はないでしょう!そう、悪趣味っていう点では!!!
物語はどっかの秘境めいた島から始まる。伝説のラットモンキーという猿を求めてこの島にやってきた探険家は、無事それを手に入れて島を脱出する途中で原住民に襲われる。ちなみにこの原住民、「キングコング」のそれを彷彿とさせる。きっとピーター・ジャクソンの趣味なんだろうなあ。そして原住民とのイザコザでラットモンキーに腕を噛まれる探検家。それを見た現地のガイド「これは助からない」と潔く(というか素早く)ナタで腕をスパーン!他の所にも傷を発見、またスパーン!最後には首をスパーン!
これが冒頭である。・・・どうです、笑い、いや期待せずにはおれぬこの衝撃のオープニング。冒頭からわっくわくです。そして見事、最後までピータージャクソンは期待を裏切らなかった。さすが(今は)巨匠!映画オタクの極み!オタクばんざーい!
こうしてラットモンキーは無事(?)ニュージーランドの動物園へ売り飛ばされる。主人公はその町に住む気弱な青年ライオネル。彼には絵に描いたような意地悪いママンがいて、いつもこき使われているのだが、何故かマザコン気味。ある日こっそりデートに来た動物園で、そのラットモンキーにデートを尾行していたママンが噛まれてしまい、ゾンビになってしまう。ゾンビになってもママンを養い続けるライオネル。ママンに噛まれるとゾンビになるため(感染型)、ライオネルの養う家族(ゾンビ)はだんだん増えてゆき、それが叔父にバレ死体愛好者と間違われ家を奪われてしまう。地下室には鎮静剤でおとなしくしているゾンビがいたのだが、手違いでゾンビに興奮剤を与えてしまい、ちょうど新居祝いでパーチーしていたところへゾンビが乱入、阿鼻叫喚の地獄絵図となってしまう・・・
とにかくこの映画に関してよく言われる「至上最高の血糊の量」これは現在でも記録は破られていないのではないだろうか。前述通り、後半の(元)ライオネル邸でのゾンビ大量殺戮シーンは圧巻で、いや圧巻と言えば圧巻なのだが、なんというか・・・とにかく滅茶苦茶である。逆光の元ライオネルa.k.a.元気弱マザコン青年がヒーローの如くババーンと芝刈り機を持って登場し、その場にいるゾンビを手当たり次第ミンチにしてゆくシーンは、映画史に残る素晴らしい、いやインパクト絶大なシーンではないだろうか。何より気持ち悪さを全然感じさせず、むしろ爽快感があるのが凄い。・・・いや、観る人によっては相当気持ち悪いのかも知れないが。画面は全て血の赤一色で、主人公ライオネルもその恋人パキータも、全身血でずぶ濡れ(返り血がかかったというより血のプールでひと泳ぎした感じ)で、そのぐちゃぐちゃ血みどろ状態でのキスシーンは他に類を見ない。
だが、この映画の凄いところはこの「芝刈り機ミンチシーン」だけに留まらない。前述した冒頭のシーンからノンストップでこれでもか、と観る者のツボを揺さぶってくる。・・・勿論、ツボじゃない人には全然面白くもなんともなく、むしろ不快なだけであるということは明記しておく。
まずママンがラットモンキーに噛まれるシーン。動物園じゅうに響き渡る大絶叫をかましたあと、ママンはラットモンキーを靴で捻りつぶしてしまうのだが、そのキレっぷりがたまらない。また踏み潰されたラットモンキーはこれでもか、というほどぐっちゃぐちゃになってしまう。
ちなみにラットモンキーは全てコマ撮りのアニメーションでつくられており、ここにも「ハリーハウゼンに心酔している」というピーター・ジャクソンの趣味が垣間見れる。
具合が悪くなって寝込んでしまったママンは、翌日来客の前で腐り落ちた耳の入ったスープを飲んだりとこれまたかましてくれる訳だが、具合の悪い体で来客に会おうとしたママンの頬の皮膚がベロンと捲れてしまうシーンでは、「これじゃ人に会えない、なんとかして!!」と論点のずれた要求をしてくる。そんなママンにライオネルがしたことは・・・接着剤で皮膚を貼り付けたのだ!「これで大丈夫」・・・いや、何が大丈夫なのか。そう、この映画、出てくる人みんな基本的にずれてるのだ。そこがまあ、最高なわけなんですけど・・・
墓地で颯爽と現れた神父は華麗な蹴りでバッタバッタと襲い来るゾンビをなぎ倒し(後にゾンビ化)、ライオネルがゾンビ用に鎮静剤を買いに行った獣医師はナチの香りがぷんぷん、ライネルから家をぶんどった叔父はゾンビ相手に大乱闘、ゾンビはゾンビで色目使い合った挙句キッチンで交尾してベイビーが生まれ、ライオネルはそのベイビーを乳母車に乗せて散歩中、暴れるベイビー相手に幼児虐待(?)の限りを尽くし(ある意味正当防衛であることは言っておく)、とにかく次から次へと見せ場の嵐だ。
正直、ここまで凄いとは思っていなかった。芝刈り機虐殺は知っていたので、せいぜいそんなもんかと思っていた。これは凄い。ここまで凄い映画は観たことがない、ある意味で。ちなみに個人的には芝刈り機よりカンフー神父のほうが好きだ。
しかし、ただそういった悪趣味が全開なだけでは、この映画はここまでカルト化していないのではないだろうか。それは、「母親からの自立、母親の子離れ」という、確立したテーマを、物語全編を通してしっかりと貫いているという点にある。ここまで様々な要素を詰め込んでいるにも関わらず、そのテーマは最後まで揺るぎ無い。強烈なデテールにぶれることなく常に提示されているのである。そしてラスト、巨大モンスター化した母親の子宮をぶち破って生還するというくだりで、そのテーマはストーリーとともにとてつもなく見事に収束を迎える。ここまで滅茶苦茶なことをして、かつテーマ性を維持しストーリーと調和させ、そして見事まとめあげた映画を今までに観たことがない。ロメロ映画などもこの類に入るのだろうが、彼の描写の方向性は本作と全く違っており、悪趣味スプラッタギャグを満載しつつここまでテーマを貫いた、という意味では他に比べるものがないだろう。物語中にそのテーマを絡めた伏線もしっかり張られており、表面的なデテールやブラックジョークだけでお腹いっぱいなのに、それ以上の満足を与えてくれる。
ピータージャクソンが「ロード・オブ・ザ・リング」に抜擢されたのは偶然ではなく、自分のオタクな趣味と「観客を楽しませるきちんとした映画づくり」のセンスを見事に調和することの出来る類稀な才能を買われたからであり、この映画はそのピーター・ジャクソンの才能を存分に味わえる傑作である。悪趣味なものが大丈夫な映画好きは、観て損はない、というより観るべきだろう。観て気分が悪くならないとは保証出来ないが・・・
2007/07/24
CINEMA ・
140TB 0
140Com 0