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Entry 32   Permanent LIN K

新しい人、と夏ノスタルジック

先日、衝動的にみたくなって、
村松正浩監督「新しい人」をみた。

これは自分が2年前に助監督(と、制作?)として参加した作品である。

何故突然みたくなったかというと、最近職場でその映画の出演者M太郎と似た人に出会ったからと思われる。その人も役者さんだった。映画を観たい衝動の原点って、案外そんなものかもね。

準備段階から参加し撮影はベタづきの自分ちまで出て来ちゃう有様だから、既に、完成したものを最初に観た時点から、いくらそこが劇場だろうと客観的には観れない。どうしても当時の情景、ここで怒られた、とか、クランクアップで菊名の終電待ちが死にそうだったとか、車の揺れとか、夏の雨と空気の感じとか、そういったことばかり思い出す。そういえば撮影中にも関わらずディズニーランド行ったっけなあ。

で、今年は夏らしいこと一切出来ないと腹をくくった日曜日の真夜中、ずっと以前新宿で貰ったビデオを久しぶりにデッキに差し込んだら、2年前の夏のにおいが鮮明に浮かび上がってくる。普通の映画を観るときには感じられない、自分が立ち会った映画を観るときに、その客観的視点と引き換えに、リアルに迫って来る映画の、においだ。見えないところでもたくさんの人が一生懸命で、その数だけドラマだってしょぼいけどあって、それはその場に居合わせないと感じられない汗くさい現実。
だからやっぱり、映画の現場ってたまらない。その瞬間はしんどいばっかりなのに、なんで終わったらこんなに綺麗に身体のなかに残るんだろう。

けれど、夏のにおいを感じるのは何も個人的な記憶のせいだけじゃない。この映画自体が、瞬間を切り取っている。夏が始まったばかりの予備校生、奇妙なロードムービィ。なにをしたらいいのか。なにをするのか。それが夏という、暑苦しくてみんな浮かれていて、そこに生じる空元気とちょっと暗い蔭。その感覚と調和していて、ただただ空気の感じが残った。なんて、自分が関わった映画だから褒めすぎかな。

ただ、2年という実は長い時間が流れていて、自分の状況もあの頃とはだいぶ変わっていて(家は撮影したのと同じところだけど)、ちょこっとだけ客観的に観れた。そんなかんじが、すこし寂しいけど嬉しかった。

2005/08/09   CINEMA     32TB 0   32Com 0  

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